従兄弟が亡くなったんだ。
ずっとアメリカに住んでたから、なかなか会う機会がなかった。
突然亡くなったという。
まだ、原因は不明。
訃報を受けても、アタシはぼんやりして、実感がなかった。
彼は湾岸戦争病を患っていたから、それが原因では?なんて母が言うから、湾岸戦争症候群を調べに調べた。
そう、アタシの従兄弟は若い頃、アメリカ兵として湾岸戦争に行ったんだ。
テレビで湾岸戦争の帰還兵数十万人が湾岸戦争症候群で苦しんでるとか、うっすらと聞いたことあるけど、まさか、身内がそんな事になっていたとは。
劣化ウラン兵器から出る放射能、化学兵器、油田火災の煙、殺虫剤などの毒物にさらされたことや、熱帯の病気に感染しないためのワクチン、生物兵器のためのワクチン、化学兵器で致死的ダメージを受けないためのクスリなども湾岸戦争病の原因ではないかと言われてるけど、ハッキリした原因は分かってないらしい。
劣化ウラン兵器って。。
言葉だけでも怖くない?
劣化ウランの発砲先にいるのが、人間だってわかってやってるの?
取り扱う兵士たちも、それがそういうものだって、周知してたの?
戦争って、そういうものなんだね。。
今更だけど怖くなった。
その従兄弟に、湾岸戦争行った時、どんなだったか、聞いたことがあるんだ。
アタシを不安にさせないために、あえて怖い話はしなかったのか、最前線じゃなければそこまで怖い目には合わないのか、従兄弟の話は、全然怖い戦争の話じゃなかったんだ。
でも、彼のお父さん(アタシにとっての叔父さん)が行ったベトナム戦争は、悲惨だったらしい、なんて話もしてくれた。
そんなに怖い体験をしてない(←本当かどうかはわからないが)従兄弟ですら、湾岸戦争病になるんだから、ワクチンとか、クスリとかが原因なのかなぁ?
従兄弟の死に実感が湧かなくて、湾岸戦争の事を色々調べただけのこの数日間だったけど、今日、アメリカにいる他の従兄弟のFacebookに、アタシ達の写真がアップされていた。
2002年に、アタシと妹が二人だけで親戚に会いにアメリカに行った時の写真だった。
「山や海が隔たっていても、家族だよ」って言葉とともに。
その写真の中で、亡くなった従兄弟も一緒に笑ってたんだ。
それを見て、従兄弟の死を実感した。
東京のアタシの実家に遊びに来たのが、ついこないだのように思う。
従兄弟がうちに滞在中、モトリークルーの「home sweet home」をピアノで弾いてて、アタシも妹もその曲が好きで、なんか妙に親近感を感じたんだ。
従兄弟のFacebookの写真を見てから、急に色んな事を思い出して、急に悲しくなったんだ。
もう、この世に居ないんだ。