水槽ライフを終わりにした。
水槽を処分したんだ。
アタシの水槽ライフは、2008年の夏に、ウタチャンという♂のベタを飼ったのが始まり。
生涯一人ぽっちは可哀想だと思い、ウタチャンのお嫁さんに、スズチャンとヒメチャンを飼ったんだけど、なんと二匹とも、♂だった!
2009年の5月にウタチャンが亡くなり、続いて、スズチャンも亡くなり、ヒメチャンだけが残った。
ある日、アタシが留守の間に、ヒメチャンはジャンプして、水槽から飛び出して居なくなった!
アタシはヒメチャンを探し回り、数時間後、あり得ない場所でヒメチャンを発見っ!!
その時、ヒメチャンは埃だらけになりながら、まだ生きていた。
急いで水槽に戻したけど、ヒメチャンは虫の息。
目も白くなって、ヒレもボロボロ。
でも、ヒメチャンの生命力は物凄かったんだ。
数日後、白くなったヒメチャンの目は、カサブタが剥がれるように一皮剥けて、元の黒い目が戻った。
ボロボロのヒレやウロコも徐々に回復して、奇跡の復活を果たしたヒメチャン。
もう、アタシはそれに感動して、ヒメチャンの為にお嫁さんの♀ベタを飼った。
ヒメチャンのお嫁さんは、モモチャン。
ヒメチャンとモモチャンは、沢山の子ベタを産んだ。
ベタは、♂が子育てをするんだけど、ヒメチャンは子育てが上手だった。
ヒメチャンとモモチャンの子供を、アタシは何回も熱帯魚屋さんに売りに行ったよ。
ヒメチャンとモモチャンの子供で、うちに残した何匹かのうち、イチ(♀)とリキ(♂)はとても長生きした。
イチは稚魚の時に一度病気になり、もうまっすぐ立てないくらいに弱ったんだけど、ヒメチャン譲りの強い生命力で奇跡の復活を果たした。
それはとても感動的な復活だった。
そんなイチがちゃんと育って子供を産んだ。
生まれた子供達の中から、アカリチャンという女の子をうちに残したんだけど、アカリチャンに迎え入れた婿養子との間に稚魚が誕生しなかった。
2013年の5月にアカリチャンが亡くなって、ヒメチャン一家の血が途絶えた。
ベタの居なくなった水槽に、メダカを飼ったんだけど、うちで生まれた子ベタ達ほどの愛情が注げなかったなぁ。。
メダカも居なくなり、水草だけが生い茂る水槽をしばらくキープしていたんだけど、最近、その水槽から微妙に水が漏るようになったから、もう水槽を片付ける決心をした。
沢山の稚魚が生まれたから、うちには幾つもの水槽が必要だった。
20cm水槽が3つ、30cm水槽が1つ、45cm水槽が1つ、20リットル水槽が3つ。
それから、ヒーターとか隔離ボックスとか、濾過フィルターとか、水槽レイアウトとか、エアレーションポンプとか、小物が沢山あって、それら全て、また魚を飼う時の為に、綺麗に洗ってしまっていたんだよね。
でも、先日、稼働していた最後の水槽を洗って片付けてたら、全て処分しよう、って気持ちになった。
で、熱帯魚屋さん「かねだい」に買い取ってもらう為に持って行った。
お店の床に一つ一つ出していって、査定してもらった。
イチがよく遊んでた沈没船オブジェとか、ヒメチャンが沢山の稚魚を育てた水槽だとか、リキが好きだった木のオブジェとか、改めて眺めていたら、魚たちを思い出して切なくなった。
売った物品数は相当あったけど、金額は二束三文だった。
それでもいいや、って気持ちだった。
ほんの5年の水槽ライフだったけど、お魚達との濃い時間を過ごせた。
もう十分楽しんだと思ったから。
これ以上、愛情注げないってくらい愛情注いで育てたと思うし。
だから、魚たちが病気になったり、死んでいくことが本当に辛かった。
ベタは小さいお魚だけど、けっこう賢くて、アタシのこともちゃんと分かってる感じがした。
もうちょっと頑張れば、テレパシーで会話とか出来たんじゃないかなって思うよ(笑)。