「猫エク」のドラマー、モトイ氏が、自身の中学時代の体験談(?)を、カラメル・ひろちゃんのブログのコメント欄に淡々と書き綴っていました。
面白いから紹介しましょう。↓
僕はその時、港中学二年生の陸上部でした。
でも全然部活が盛んじゃない学校で、先輩はいなくて同級生が四人ぐらいで一年生も三〜四人だったかな?
僕はいつのまにかキャプテンになってて、何故か一年生の めいけん と何人かは、僕のことを「キャプテン」ではなくて「チャップル」って呼んでました。
初めは「…うん?」って感じだったけど、いつの間にか親しみ慣れたあだ名みたいになって「チャップル!次、なにやるの?」「チャップル!水飲んでいい?」「チャップル!帰っていい?」「チャップル!そんでさ…」。
「バカにされてんのかな?」って疑問も無く「まだ帰っちゃダメだよー!」みたいな感じで部活に励んでいました。しかし、めいけんにだけは、「チャップル」と呼ばれると何故かイラっとしました。
何故かと言うと、めいけんは短距離(走者)なのに50mを8秒台と言う、陸上部じゃない普通の生徒でも走れる遅いタイムだったからです。
部活が盛んじゃない学校だったのでユニホームが無く、みんな思い思いのランニングや短パン、スパイクを買って着てました。当時、ロサンゼルスオリンピックでカールルイスが四冠王になって話題だったので僕はカールと同じ真っ赤なランニングと短パンとスパイクを履いてました。
でも、めいけんは体操着に白いスニーカーで部活に参加してて、しかもそのタイム。
「マジかよ?なんで陸上部に入ったんだ?体操着って…」
で、一年生の初めての大会。めいけんが走る100mを観覧席から見てました。
他校の選手は学校名が入ったユニホームを着ててカッコいい。めいけんだけ体操着にスニーカー…「なんコース!港中学めいけん君!」アナウンスが紹介します。
「恥ずかしいから、めいけんは飛ばしていいよ!」と思いながら期待度0でボーと見てました。当然です。一人だけ体操着にスニーカーですから。
パン!スタートしました。
横一列の中から、なんと!めいけんが飛び出しました!
「え?」
みるみる他の選手を離してダントツの一位でゴール!
チャップル「…」
そしてアナウンスが言いました。
「一位、港中学めいけん君。大会新記録を更新!」
タイムは忘れましたが俺より全然速いタイム。「嘘…体操着が?」
目が点とはまさにこの事を言うのでしょう。
…あ!俺この後200mでめいけんと走るんだった!ヤバイよ!ヤバイ!カールと同じスパイクがスニーカーに負ける訳にはいかない!どうする!
「チャップル!めいけん大会新記録で一位だよ!」「…わかってるよ。ほっといて下さい」みたいな心境です。全然、嬉しくない。
そして来ました200m。絶対負けたくない!負けれない!カールが体操着に負ける訳にはいかないのです!しかも俺はキャプテン…じゃないチャップルです。生まれて初めて感じた湧き出る闘争心。
パン!鉄砲が鳴ります!
後ろから迫り来るめいけんに怯えながら走ります!順位なんて何位でもいいのです。誰に負けてもいい!めいけんにだけは負けれない!俺は…俺は真っ赤のランニングにカールと同じスパイクを履いたチャップル!「カールよ!我に力を!」
ゴール!
200mと言う距離が僕に味方しました。持久力に欠けてた めいけんは途中で失速。僕は確か五位かなんかでゴール!めいけんは七位ぐらいでしたか。なんとかチャップルの威厳を保持。ふーぅ…やったぜ!
そして最後は400mリレー。アンカーはもちろんチャップル。なんと一位でゴール!右手を高々と上げてカッコつけて後ろを見ると審判が赤い旗を振ってます。
Whats?
「港中学、失格!」
そう。バトンを受け取るエリアをオーバーしていたのです。リレーのメンバーがこっちに歩いて来ます。
「…チャップル?」
「…」
その後、音楽に目覚めた僕は陸上部に顔を出さなくなりタバコに酒まで呑み始め、居酒屋にも早くも通ってた中学時代。でも不良ではないと言う、なんだか分からない生徒でした。そして27年経ち今週土曜は関内のセブンスアベニューで猫丸エクスプロージョンズライブです!セブンスから歩いて五分の場所に港中学はあります。ついでに覗いてみて下さい(笑)。もしかして大人になっためいけんが陸上部の顧問になって生徒に教えてるかも?(笑)