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本屋
こないだ、仕事の帰りに茅ヶ崎のぱぱっちに寄ったら、本屋さんと不動産屋さんがメシを食っていた。
この御二方とは、この店で時々会うくらいで、そんなに親しい間柄でもない。
なんのきっかけだったか、 『本屋さんの仕事って、なんか楽しそう』と、アタシは何気無く本屋さんに話をふった。

本屋に行くと色んな本があって楽しい。
でも、テンション上がる本屋と、そうでもない本屋があって、東戸塚駅西口にあった住吉書房は大好きだったのに、無くなって残念。。などと、アタシは自分の本屋観をひとりで勝手に話してた。 すると、『最近仕事がつまらない』とこぼしていた本屋さんが、堰を切ったように、本を売る仕事を熱く語り始めた!

店のどこにどういう配置で本を置くかで、売上が全然違うという。
ある本を買いに来たお客さんが、店内のどういうルートを通ってレジまで行くかを考えるんだとか。
以前配属されていた八王子店で、自分が本の陳列を担当していた時は、こんな事をしたよと、生き生きと話してくれた。
地域とか、季節とか、本の表紙の絵柄とか、色々考えて本屋さんは本を並べるらしい。
それから、こんな話をしてくれた。
本屋をやってると、時々、変わったお客様が来るそうで、こないだは、こんな事があったよ、と。


あるお客さんが話しかけてきて、『この本、とても面白かったから、読んでみて欲しい』と言う。
そのお客さんとその本屋さんとは、全く面識の無い間柄。
突然そんなことを言われ、理由を聞くと、そのお客さんは時々、仲間内で、『最近自分が読んで面白かった本を薦めあう会』をやっていて、次の会でこの本を薦めたいんだけど、他の人にも読んでもらって感想を聞きたいんだと言う。
本屋さんは、分かりましたと返事をし、自腹でその本を購入し、読み始めた。
何日かして、またそのお客さんが店に来た。
『あの本、読みました?』と。
本屋は、『まだ途中までしか読んでない』と応えると、『早く読んで感想を聞かせてくれ』と急かす。
友達でも知り合いでもないその客に、急かされるがまま、本屋さんはその本を読み進めていた。
すると、だんだん面白くなってきて、本当にハマってしまったんだとか。
何日かして、またあの客が来た。
『読みました?』と。
本屋さんは、その本の感想を言った。
本当に面白かったものだから、友達でもなんでもないその客と、その本の話題で熱く語り合った。
あまりにもその本が面白かったわけだけど、こんなにも面白い本を書いた作家は、聞いたこともない名前で、出版社もマイナーな出版社だという。
本屋さんは、出版社に電話して、この本の著者のことを調べた。
が、『個人情報だから』という理由で、教えて貰えなかったらしい。
本屋さんが言うには、こんなに面白い本を書ける人が無名なわけないから、もしかして凄く有名な作家さんが、世間が抱く自分のイメージに縛られずに書きたくて偽名で書いたのでは?と推理する。

『そんなに面白い本なら、アタシも読みたい』と言うと、『本の内容が、オッサンが昔の恋みたいな記憶を回想してる内容だから、女の人にはどうかなぁ?』と言う。
本屋さんと、その本を持ってきたお客さんも、50代男性。
そういう年代の男の人が共感する内容なのかなぁ?

そんな話を、アタシは職場で女性の先輩に話したところ、
『そうかもよ。女子が読んでも共感しないかも。だって、その年代の男って、だいたい初恋がタッチの浅倉南じゃん。浅倉南に共感出来る?』と言う(笑)。
あー。たしかに、共感出来ない(笑)。
でも、その本が気になったアタシは、Amazonで古本を購入。
果たして、女子にも面白いだろうか?

| 猫丸 | - | comments(2) | - | - | - |
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