残りの年内、最もヘヴィな仕事が終わった。
新コースを履修した学生50名を連れての研修旅行。
引率教員含めて55名で津堅島へ行き、マイクロプラスチック調査と、ビーチクリーンと、地元の小中学生と交流をした。
3年生で行く通常の研修旅行は、旅行会社が間に入るので、教員が直接、宿の手配や移動手段の手配をすることはないらしいが、今回の研修旅行は、アタシとN先生で下見から宿の手配から何から何まで自分たちでやった。
しかも、新コースが始まったのが後期(9月下旬)から。
なので、新コースの履修者の人数がちゃんと確定したのは10月上旬ころ。
そこから研修旅行の計画を立て始め、研修旅行の参加人数がちゃんと確定したのは、もう、研修旅行直前だった。
そんな不手際にも嫌な顔せず対応してくださった津堅島の旅館、神谷荘さんには感謝しかない。
また、12月は沖縄の修学旅行シーズンらしく、50名が乗れる大型バスが全然空いてない!
事務の方にお願いして、片っ端からバス会社を当たってもらって、やっと1台チャーター出来た。
津堅島に行こうと思ったのは、Earth Record Japanのユーモさんに津堅島のことを聞いたから。
最初に聞いた話は、「津堅島の神谷荘は、毎日TikTokライブを配信していて、ライブ出演者は宿泊費が割引になる」とのことで、機会があったらアタシもTikTokライブを演りに行こうと思ってたわけ。
んで、津堅島神谷荘をネットで調べたら、音楽で町おこしをしているとのこと。
毎日のライブ配信で得た収益は、島のために使われることを知った。
そんなところに、「新コースを履修した学生をどこかに連れて行けば?」とコース長に言われ、「じゃあ、3年生の研修旅行の期間に合わせて、新コースも研修旅行と称して、どこかに行こう!」となった。
その話が出たのが11月になろうかという時期。
そこで思いついたのが、津堅島。
新コースは、地域の課題を発見し、課題解決のためにアクションを起こせる人材育成が目的だ。
過疎の島をどうにか盛り上げようとしている津堅島は、新コースの研修旅行にうってつけだと思った。
そんなこんなで、11月初旬に津堅島に下見に行った。
その時に、神谷荘の方が、津堅島の小中学校に話を繋いでくれて、地元の小中学校の先生方と話が出来た。
小中学生と一緒に何をやるかは、その時すぐには思いつかなかったけど、日をおいて徐々に構想が固まり、アタシは砂浜でマイクロプラスチックを集めて、それをデコレーションとして使ってキャンドルを作ろうという事を思いついた。
キャンドル作りに着想を得たのは、11月下旬のイベントでの出前授業を頼まれ、K先生に相談したところ、K先生がよくやっているキャンドル作りを一緒にやることになったのがきっかけ。
K先生のは、貝殻や海砂を使ってデコレーションするキャンドル作りだった。
アタシは、以前、本部の浜で見たマイクロプラスチックがピンクとか水色とかのすごくカラフルで綺麗な色だったので、マイクロプラスチックを集めて、キャンドルのデコレーションにしようと思いついた。
なので、津堅島の小中学生との交流会のために、11月半ばからキャンドルの材料を調達したり、マイクロプラスチックの回収方法を調べたり、準備は結構バタバタで大変だった。
また、キャンドル材料のワックスが可燃物なので沖縄への輸送は、えてして船便だということを知り、海上の天候によっては何週間もかかるとのこと。
何週間もかかられたら、研修旅行に間に合わないじゃん!ってことで、Amazonの送り先を実家に設定して、タイミング良く入った東京出張のタイミングで実家からキャンドル材料を沖縄に持って帰ってきた。
マイクロプラスチック回収の道具一式は、GODACさんが無償で貸してくださった。しかも解説書も付けてくれて、とても助かった。
マイクロプラスチックの回収をやったことがないアタシでも学生に説明できるくらい、わかりやすい解説書だった。
やることは、それだけではなかった。
研修旅行中に何かがあった場合の緊急連絡網の作成、学生のアレルギー調査、保護者への通知及び承諾書の記入依頼、日程表の作成、公用車の手配、学生寮へ研修旅行参加学生リストの提出・外泊申請・欠食申請・日程表提出、機密文書(名簿)の持ち出し申請、緊急時に使う携帯電話のレンタル、モバイルWi-Fiのレンタルなどなど、細々したやらないといけない事が沢山あった。
事務の方々もかなり協力してくださって、どうにか研修旅行初日を迎えた。
その時点で、アタシはかなりヘトヘトだった。
でも、これが終われば、年内の大きな山は終わる。
初日にして、早く終わって欲しいと思った。
朝は良い天気だったのに、津堅島に向かうにつれて天気が悪くなり、津堅島では小雨が降ったり止んだりの悪天候。
そんな中、マイクロプラスチック回収作業をした。
がっ!やれどもやれども、全然無い!
マイクロプラスチックが、全く取れないのだ。
次の日に予定しているキャンドルのデコレーション材料が集まらない。
学生もアタシもがっかり。
だけど、マイクロプラスチックがないことは、喜ばしいことだ。
仕方がないので、キャンドルのデコレーションは、K先生の出前授業と同じく貝殻にすることにした。
夕方5時過ぎに夕食。
BBQが予定されていたが、雨なので、調理場でスタッフが焼いて、バイキング形式でやろうということになった。
が、人数が多いうえに、みんな食べ盛りだ。
焼くのが全然追いつかない!!
外に用意されていたBBQの設備で、引率教員も肉を焼くのを手伝った。
そんな感じで食堂に行ったり外に出たり、学生も教員も行ったり来たりの夕食になった。
18時半から20時まで、男子の風呂時間。
その後20時から22時までが女子の風呂時間。
個室のシャワールームが4つしかないので、テキパキと入ってくれないと50名全員終わらないなと思い、食事中の男子に、「食べ終わったらシャワー行って〜」とせっついて、食堂からどんどん男子が消えていった。
すると、食事を終えた女子たちが神谷荘のステージでカラオケを始めた。
男子の風呂時間が終わると、今度は女子がいなくなり、男子だけになった食堂で、またもやカラオケが始まった。
男子のカラオケって、熱過ぎて笑えた。
みんなで肩組んで大熱唱(笑)!
なんだ、これは!!
異様な団結力を発揮して、21時半まで熱いステージが繰り広げられていた。
聞くと、学生寮の門限や、市街地までの遠さもあって、普段、カラオケに行くことが出来ないという。
普通の高校生は、普通に学校帰りにカラオケ行ったりするわけでしょ?
この子達は、普段、気軽にカラオケにも行けないから、ここでこんなに楽しそうなのかと思ったら、ちょっと可哀想になった。
歌うことを、本当に純粋に楽しむって、こういうことなんだな〜と改めて気付かされた。
みんなで肩組んで歌えるノリの良い曲を世の中に提供することが、歌を作る人の使命なのかも知れないと思った。
2日目は、午前中にビーチクリーンをしながら、マイクロプラスチックに代わるキャンドルのデコレーション材料を拾い集めた。
マイクロプラスチックは全然ないのに、大きなプラごみやシーグラスは結構あった。
あと、貝殻も凄い沢山あった。
50名でゴミ拾いすると、あっという間にポリ袋何袋分もゴミが集まった。
午後はキャンドル材料を持って、津堅小中学校へ。
小学校と中学校が1つになっていて、全校生徒は全部で9名。
そこに50名の高専生が行く。
小中学生が怯えるのでは?と思いきや、みんなそんなに物怖じしている様子もなく、うまいこと交流できているように思えた。
全員が1個ずつ、キャンドルを作った。
その様子をN先生と4名の有志が動画をとり、90分の短い時間でキャンドルメイキング動画を仕上げ、閉会式に上映会をした。
みんなが楽しそうにキャンドルを作っている様子を数分の動画にうまくまとめていて、N先生の力量を感じた。
有志の学生も有能だったと思うけど、学生を引っ張って短時間で作品を仕上げるって、自分一人でやるより何倍も大変だと思う。
動画に、ちょっと感動した。
アタシは70名近い方々のキャンドル作成でテンヤワンヤして、終わった時はどっと疲労感。
宿に戻って夕食までのちょっとの時間に、寝落ちしてしまった。
夕食の後、前日同様に学生たちはカラオケを始めたが、もう、それを見る余力がなかった。
部屋に戻り、再び爆睡。
次に目が覚めたのは、学生が「先生も歌ってください」と部屋にアタシを呼びに来たとき。
その学生は、前日から何度もアタシに、「歌ってください」と言ってくれていて、社交辞令かと思っていたんだけど、部屋に呼びにまで来るとは、嬉しいことよ。
なので、神谷荘のギターを借りて1曲歌った。
神谷荘の主人がカホンを叩いてくれて、ちょっとしたライブができた。
学生たちがみんなで手拍子して盛り上がってくれて、とっても嬉しかった。
夜の点呼を終えて、引率教員だけで軽く打ち上げ。
神谷荘の主人も交えて、1杯飲むのは楽しかった。
翌日は朝食を食べたら自由時間。
みんなが津堅島散策に出かけている間、アタシたちは持ってきたキャンドル制作の道具やマイクロプラスチック回収の道具など、大量の荷物を整理して公用車に積み込む作業。
10時半に神谷荘で集合して閉会式をして、荷物をまとめた。
12時のフェリーに乗るために神谷荘のスタッフの皆さんがピストン輸送で港まで送ってくださり、船の中で食べれるようにと、おにぎりのお弁当を渡してくれた。
そのお弁当ひとつひとつに、QRコードの付いた名刺が添えてあった。
TikTokライブ配信のQRコードだった。
毎日TikTokライブを配信している神谷荘。
今日の12時に配信するから、船の中で観てね、ということだ。
船に乗り込み、QRコードにアクセスした。
たった今、港まで見送りに来てくれた神谷荘のスタッフが、船の出向する12時ちょうどにライブ配信してる。
どんなに慌ただしい思いをさせてしまったことか。
そのアーカイブが、コチラ↓
https://www.youtube.com/watch?v=yyMACCfHWOk
こんなお見送り方法って、ある〜?
船の中で聴きながら、感無量で涙がでた。
歌っているhinakoさんの歌がまた今回の研修旅行の思い出が蘇ったよ。
大勢で押しかけて、食事の支度も大変だっただろうし、学生たちのカラオケがうるさかっただろうし、教員が食堂で打ち上げしていて寝不足になっただろうし、アタシの手際の悪さで部屋や布団の準備が直前になってしまったし、支払いもちょっと遅くなってしまった。
大迷惑かけまくりだったのに、こんなに温かい気持ちで接してもらって、本当に感動した。
この御恩、絶対に返そうと思った。
また来年の研修旅行でも、学生達を連れて行こうと思う。
その前に、個人的にTikTokライブやりに行こう。